…あは、 やっと手に入れた……可愛いボクのヘンリーくん
(理解できていない様子の相手を気にかけることもなく、跨り見下ろしたままにうっとりと目を細めてその頬を掌で、まるで宝物に触れるかのようにそっと撫でる。その目からは光が失われ、ただただ自らの深い欲を映した)
ずっとずっと、こうしたくてたまらなかったんだ…
キミを二人だけの家に閉じ込めて、ボクだけのものにする…
そしたらキミは永遠にボクのことしか見ないし、ボクのことだけしか愛さないでしょ?
ボクはずっと、ずっと…ヘンリーくんのことしか見てないから……これでお揃いだね
ヘンリーくんと一緒になるためにね、ボク色々用意してたんだ
この家だって、キミと暮らすために用意したんだよ…
二人で暮らすのに十分な部屋と二人がけのソファに二人分の食器、二人で寝るのにぴったりな大きなベッド……まだ欲しいものがあるなら、今度二人で買いに行こうね
食器も洋服も全部お揃いなんだ。だって一緒がいいでしょ?
この部屋だって、二人で暮らすのを邪魔されたくないから。なるべく人通りの少なくて、且つ周りに気にされにくい人の多い場所の……ここにしたんだ
そしたら、二人で出かけるときも誰にも見つからずに出かけられて、二人だけの時間を過ごせるでしょ?
このレッグカフだって、キミのために用意したんだ
痛くなっちゃだめだけど、抜け出せたら意味がないからって探すのに苦労したんだよ。褒めて?
…ホントは最悪キミを眠らせて既成事実でも作り上げようかなって思ってたけど……キミから欲しがってくれたから、睡眠薬もローションも全部使わなくて済んじゃった
…あは……キミのボクへの想いが抑圧されて増幅してたのは知ってたけど、ここまで……ここまでボクのことを欲しがってくれるって思ってなかったから、嬉しかったなぁ
そうそう……ヘンリーくんと幸せになるならさ、やっぱりこういう体の繋がりも必要でしょ?
だから、キミがボクを抱きたいって言っても、ボクに抱かれたいって言ってもいいように、ボクちゃーんと用意してたんだぁ
胸もちゃんと使えるようになるまで一人で開発するの凄く大変だったけど、ヘンリーくんが嬉しそうに食べてくれたから、やっぱりやっといてよかったなぁ
後ろも慣らすの時間かかったし痛かったけど、キミのを直ぐに受け入れるためにはやっぱ必要だったし、頑張ってよかった
あは…これから沢山、可愛がってね?ヘンリーくん
(普段必要以上に多くは語らず、また自分のことはさっぱり話さないけれど、今は伝えたいことが多すぎてまくし立てるように話してしまう。全部全部、ヘンリーくんのため。全部、二人で幸せになるためにやったことだから。ヘンリーくんも、大好きなボクと二人で幸せになれるんだから、きっと喜んで褒めてくれるでしょ?)
前キミが隣にいるのに客と仲良く話してキミが妬いてたのも、気まぐれにキミの家に遊びに行って誘惑まがいのことをしてキミを期待させたのも。今日のあの時ボクが普段と違う方に曲がったのも、キミがボクをつけてきたのも。全部全部全部全部、ぜーんぶ、ボクが仕組んだことだよ
ヘンリーくんにもっと好きになってほしくて、ヘンリーくんにもっとボクを見てほしくて
それで、早く二人で幸せになりたかったから
ね?ボク、ヘンリーくんのために頑張ってたでしょ?
(今は何が起こったかわかってないから困惑してるけど、だけど、ボクが二人のために沢山やってきたってきっとわかってくれるはず。喜んでくれるはず)
あは……これからは、家に帰ったらすぐにヘンリーくんに会えるんだね…
ヘンリーくんといつでも話せて、いつでも会える…いつでも触れ合えるし、いつでも触ってもらえる…
幸せだなぁ…ね、幸せだね、ヘンリーくん?
(手を頬から離して、自分の下に敷いた相手の背中に腕を回し優しく、それは恐ろしいほどに優しく、相手の体を起こして抱きしめた。素肌がより触れ合って温かい。なんだか、本当に一つになれたみたいな気持ちに包まれる。幸せだ。幸せだね、ヘンリーくん。これでやっと、二人で幸せになれるね)