ふと、夜中に目がさめる。
なぜ、と思うと同時に理解してしまうだろう。
「裏の世界」と「表の世界」が再び繋がってしまった事に。気づかされてしまう。
裏の世界の住人としての本能が出てきそうになる。恐怖。醜悪。
様々な感情が巡るであろう中、あなたたちはどう考え、何を願うのだろうか。

【本日はリンミュールが裏の世界に取り込まれましたが、設定としてはあなたたちが手を下した、というわけではないです。
裏と表の世界をつなげたはずみで向こうに取り込まれてしまったという認識で大丈夫です。本日からはあなたたちが直接手を下すこととなります。セットの方は余裕を持ってお願いします。】

……？

これ、は……まさか……？
いやでも、そんなわけ……

この嫌な感じ、もしかして…

あ、ええと
紙に魔法を込めてお守りを作ることってできる？

間違えた、忘れて

ノエル様…何故そのような事を聞かれるのでしょう？
できない事もないと思われます

えっと…はい…

ごめんごめん

ところで、今日やっぱりおかしいよね
こう…空気がさ

………確かにおかしい気が致しますね
ですが、何か…こう、昔にもあったような感じも致します

おかしい
おかしいよ
リンミュールさんの部屋、絶対何かあった！
嫌な予感がする
……キミは、大丈夫……？

私は大丈夫ですよ
ノエル様…何か心当たりでもあるのですか？

リンミュールさんの部屋、空気が悪すぎる
どろどろして、生臭くて、寒気がする
きっとロザベラさんやナタリアさんはそんなこと思わなかったと思う
これ、僕知ってる

裏だよ
裏と表が…繋がってる

そんな…
………あちらの世界が、また開いたと言うのですか？

…うん
だからかな、ちょっと気分悪い

それに、昨日リンミュールさんが、何か研究が成功しそうとか言ってたよね
研究ってもしかして、裏の扉を開くっていう…？

でもこれはチャンスだと思う

20年前、覚えてる？どうやって事件が終わったか

…確かに言っておりましたね

チャンス…？
20年前…？
申し訳ございません…あまりよく覚えていないです…

覚えてないか
えっとね、確か僕ら行方不明の生死が分かり次第、封印か何かして裏の世界を閉じたんだよね
ということは、裏と表が繋がってから繋がりが切れるまで、時間があるんだよ
最近話をしただろう？裏に戻った方がいいけど帰り方が分からないって
今、リンミュールさんの家に“扉”はなかったけど、一度開いたんだったら誰かが気づいて閉じるまで、何度かあちらとの扉が出現すると思うんだ
扉が現れたと同時にあちらに帰ることができれば、ここでしんどい思いをすることもなくなるんだ

……そうなのですね
私達が帰る為の機会が来るまで、閉じられるのを阻止すると言った事をするべきでしょうか

ノエル様はこちらでの生活はあまり良くなかったのですか？

んー？
んー…嫌じゃなかったよ
僕は表面上でふわーっとした関係が合ってたからね
店主と客くらいの距離感がちょうどよかったし
思い出もこれと言って深いものも残念ながらないんだけど…

ただ、自分の異変に気付いてからは、ちょっとしんどいかもね
自分が人間じゃなくなってるって、知ってから

それなら良かったです…

…そうですね
私も、記憶を取り戻してからというものの…旦那様とどう接したらいいか、それすらもわからなくなってしまいましたね

ジェインさんはサーヴァントさんとどんな風に知り合ったの？

…………そこです
そこがどうしても思い出せないんです
私は何故、旦那様に仕えているのか…全く思い出せないんです
確かに、私が人ではない事は思い出したのですが…そこの部分だけ全く…

それじゃあ、サーヴァントさんと出会ったのはずっと前ってこと？
いつぐらいから記憶ないの？

………いつだったのでしょう、ふと気がつくとこのような関係でしたから
1つわかることといえば…3年くらい前に何かがあったという点でしょうか…

3年くらい…
でもその頃にはダンテさんがそばにいたんだね

そういえばダンテさんって、ジェインさんに対して過保護だよね
報告求めたりとかさ
どっか行くたびに迷子になるくらいのお転婆ガールだったの？

ダンテ様…その頃からだったのですね

そんなことはないと思います、皆様にあんな感じなのではないですか？
確かに報告を求められたりはしますけれど…
…恐らくではありますが、そのような事はないと思われます
ただ…旦那様が私を表に出したがらないのにも何か理由がある気がいたします

まあジェインさんだし迷子はないよね
そういうの気にならないの？外に出したがらない理由

前までは特に気にしておりませんでしたね…
今は…不思議に思います、けれど