To : 染物師 サムファ
…なんだよ
(相手が明らかにからかいの意味を含んだ言い方で述べてきては、なんとなく見透かされてしまったのではと気が付き、然しそれはそれで今度はなんとなく悔しくて、でも恥ずかしくて、拗ねたように視線だけ相手に向けては呟き)
特にないからそれでいい
(自分の素直じゃない言葉も気前よく受け止めてくれる相手に嬉しく感じるもののそれを素直に表に出すなんてできず、同時に先刻の呟きも聞こえていなかったらしいことに安堵し、同時に勇気を出して呟いた言葉だったために惜しいと感じてしまうのであり)
お、俺は照れてねぇよ
(何言ってんだ、と返すその表情の眉は寄るが、少し同様のそぶりを見せたのも確かで)
…ほんと、変わってんの
……俺は、おっさんと話せりゃ十分だよ
(少しの躊躇いの後にそう呟いてはらしくない、と気まずそうに視線反らす)