**アイテム番号:** SCP-1634-JP

**オブジェクトクラス:** Euclid

**特別収容プロトコル:** --SCP-1634-JPを収容する部屋は清潔かつ適温に保ち、標準的人形オブジェクト収容施設と同じような規格で作った木製の部屋で対象が脱出する事のないよう、施錠されたドアで二重に囲みます。Cクラス以上の職員は、レベル2以上の職員に許可を取ることにより、接触する事が許可されます。--

[[collapsible show="+ 特別収容プロトコルが見直されました。責任者は確認を行ってください。" hide="- 認証が完了しました。"]]
**特別収容プロトコル:** SCP-1634-JPは有機繊維の衣服を着用し、SCP-1634-JP-1と共にサイト-8186の高危険度人型オブジェクト収容施設に収容されます。また、庶務部隊わ-7（延者）.わ-8（命師）によって、異常性の消失が起こらないよう、12時間交代で見張りが行われ、また対処がされます。SCP-1634-JPへの接触は現時点では限られた人員のみで行う為、非関係者には基本的に接触許可は降りません。
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**説明:** SCP-1634-JPは201█年現在、10代前半の少年の外見をしています。しかし、本人からは18歳との報告が為されており、戸籍上も18歳とされている為、軽度の認識阻害、若しくは成長不良が発生している可能性があります。この成長の遅さと特異性の関連は不明です。██県のあるマンションにて「誰もいないはずの部屋から大勢の悲鳴と叫び声が聞こえる」との民間人の通報を受け、財団の興味を引きました。当該対象の異常性は9歳頃に発現したとの事です。SCP-1634-JPは特異性を発揮した無機物の「声」を認識できません。

SCP-1634-JPの特異性は、無機物におよそ300秒間触れ続けることによって発現します。SCP-1634-JPが無機物に触れ続けると、（以下、SCP-1634-JPが触れ続けた無機物をSCP-1634-JP-1とします。）SCP-1634-JP-1は突然不明な手段で日本語を話し始めます。SCP-1634-JP-1は、SCP-1634-JPが初めて触れた時の体調、気分、[ねじれ編成 編集済]などによる個体差が生じ、概ねそれらが優れない時には一般常識から離れた性格を生じる事が過去の実験で判明しています。生成されるSCP-1634-JP-1の数に上限は確認されておらず、現時点で最大85体のSCP-1634-JP-1が確認、40体が収容中の時間経過により異常性を消失[[footnote]]異常性を消失する時間が近づくと、どんな性格であるかに関わらずSCP-1634-JP-1は異常性の消失を察して恐れだし、最終的には発狂したかのような声を発しつつ、瞬間的に異常性を消失します。なお、複数回同じ物品をSCP-1634-JP-1に変質させても前回の記憶は保持していないことが確認されていると同時に、大抵の場合、再起動したSCP-1634-1は別人格に変化します。SCP-1634-JP-1の異常性の発現期間はSCP-1634-JPに触れられていた時間と比例して長くなっていきます。このカウントは異常性が発現した後でも続いているものと思われます。[[/footnote]]し、また実験により数体増加させた結果、現在65体のSCP-1634-JP-1が収容されています。

[[collapsible show="+ 保護されているSCP-1634-JP-1の例" hide="- 読み込みが完了しました。"]]

|| 管理番号 || 性格などの概要 || 現在の状況 ||
||SCP-1634-JP-1-2 ||--粗暴--質問者への細かな気配りが目立つ。40代男性に近い声を発する。 ||--サイト-81██の低危険物収容ロッカーにて保管中-- --本人の意向により同サイトの低危険物収容室A-2にて他のSCP-1634-JP-1とともに保管中。--████/██/██ 異常性を消失。 ||
||SCP-1634-JP-1-7 ||一般の範囲を逸脱しない程度に直情的。20代男性に近い声を発する。 ||サイト-81██の低危険物収容室A-2にて保管中。||
||SCP-1634-JP-1-18 ||不明。||201█/██/██現在、個別の収容室にて黙秘を続けている。||
||SCP-1634-JP-1-35 ||恐怖への耐性が低い。6〜8歳程度の女児に近い声を発する。||--サイト-81██の低危険物収容室A-2にて保管中。--████/██/██異常性を消失。||
||SCP-1634-JP-1-41 ||--快活。コミュニケーション能力に長ける。40代女性に近い声を発する--SCP-1634-JP-1-2の異常性消失後、コミュニケーションに対し消極的になる。||サイト-81██の低危険物収容室A-2にて保管中。||]
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以下は、収容直後、SCP-1634-JPが収容されている部屋にて、自身と異常性のことについて事情を聴取した際の記録です。

__**インタビュー記録1634-2 - 日付201█/██/██**__
> **対象:** SCP-1634-JP
>
> **インタビュアー:** 向田上級研究員
>
> **<録音開始>**
>
> **向田上級研究員:** 失礼。（扉を開けて、扉の前に立つ）
>
> **SCP-1634-JP:** あ…こんにちは。……すみません……えっと……ここ、ここは何処なんですか……？（背筋を伸ばし、座っていた椅子の足を握りしめる）
>
> **向田上級研究員:** 申し訳ない。疑問があれば後で聞こう。先に幾つか質問を受けてくれないか？
>
> **SCP-1634-JP:** あ、はい。すみません。
>
> **向田上級研究員:** 謝らなくていい。突然攫ったこちらの問題だろうからな、誘拐してしまっているのは事実だから信憑性はあまり無いと思うが、身の安全だけは保証しよう。
>
> **SCP-1634-JP:** あ、分かりました。ありがとうございます。
>
> **向田上級研究員:** 感謝されてもな……っと、そろそろ質問に移るか。単刀直入に言うと、君の体質についてなんだが……喋る無機物に心当たりはないか？
>
> **SCP-1634-JP:** はい……？
>
> **向田上級研究員:** ……君は無機物に意思を持たせる事が出来ると報告書に記してあるんだが。
>
> **SCP-1634-JP:** ……何を言ってるのかよく分からないんですが……
>
> **向田上級研究員:** ……あぁ、失礼。質問を変えよう。何か最近変わった事があったなら教えてくれ。
>
> **SCP-1634-JP:** ……特にないですね。
>
> **向田上級研究員:** そうか、協力ありがとう。もしかしたらこの後も何回か質問を受けるかも知れないが……
>
> [この時、SCP-1634-JPが握りしめていた椅子がSCP-1634-JP-1へと変化したと思われる]
>
> **SCP-1634-JP-1:**あの……
>
> **向田上級研究員:** ん？まだ何か？
>
> **SCP-1634-JP:** ……？なんですか？
>
> **向田上級研究員:** ……君じゃないな、誰だ？
>
> **SCP-1634-JP-1-40:** 私です……
>
> **向田上級研究員:** ん、どこだ？
>
> **SCP-1634-JP-1-40:** ここにいます……えっと……椅子です。
>
> **向田上級研究員:** んん？（SCP-1634-JP-1-40に近づいていく）これか？
>
> **SCP-1634-JP-1-40:** きゃ……変なところ触らないでください！
>
> **向田上級研究員:** おっと、気遣いが出来ずすまない……確かに無機物が話しているな……
>
> **SCP-1634-JP:**あの……何の話ですか？
> **<録音終了>**
>
> **終了報告書:** //SCP-1634-JPはどうやらSCP-1634-JP-1-40の「声」を知覚出来ないらしい。更なる研究が必要かもしれない。……しかし、まさか意思を持った椅子に気遣いをする日が来ようとはな//――向田上級研究員

**補遺1:** SCP-1634-JPの戸籍に関する調査を継続した結果、SCP-1634-JPの家に存在しないはずの人間の写真とその映像記録が存在している事が判明しました。SCP-1634-JPに事情を聴取した所、友達、妹の写真、動画だと答えました。しかし、再度戸籍を確認した所SCP-1634-JPに妹、所定の友人は存在しないと記されていました。

**補遺2:** 向田上級研究員と酷似した性格、声のSCP-1634-JP-1が生成されました。また、これに関する調査の結果、SCP-1634-JPの  と母親の声、タレントの██ █と酷似したSCP-1634-JP-1が存在する事が判明しました。SCP-1634-JP-1はSCP-1634-JPの記憶を元に作られている可能性が高いと推測されます。特に大きな特異性も無いため、他のSCP-1634-JP-1同様低危険物収容室A-2に保管されます。
//何だか微妙な気分になるな……//――向田上級研究員

**補遺3:** 2ヶ月後、補遺2に不可解な空白が存在している事に気づいた██研究員が管理者であるD████ █████博士に報告。意識の改竄が行われている可能性があると判断したD████ ██████博士は、更なる調査を行いました。調査の結果、SCP-1634-JPの住んでいた家から、身元不明の男性の写真と動画が見つかりました。さらに財団のデータベースから2名分写真のみのデータが発見され、何れの写真の人物にも面識のある職員はいませんでした。██博士はこの結果を鑑みて、SCP-1634-JPは無機物の会話を可能にするオブジェクトではなく、SCP-1634-JPが存在を認識している生物のアバターであるSCP-1634-JP-1を創り出し、またそのアバターは異常性消失と同時にコピー元である生物、その生物に関わる文書と共に消え去るものである可能性を示唆しました。今後特別な理由がない限り、この仮説を前提として収容します。

**補遺4:** [[collapsible show="[ねじれ編成 編集済]" hide="O5-█のアカウントデータを確認、データの復元を開始しますか？/はい"]]
████/██/██
O5-█,O5-█,O5-█の音声データと酷似した声を発するSCP-1634-JP-1が確認されました。最悪の事態に備えて、対応するSCP-1634-JP-1の延命措置を最優先で行えるよう、特別収容プロトコルの変更が--検討されています--実行されました。
[[/collapsible]]