To : 苦労人 ノア
お、楽しみにしてるぜ?
(一瞬、ノアの言葉が詰まった気がして何か困らせてしまっただろうかと不安になる。ふと頭に乗る彼の手、いつもと同じはずなのにその手がなんだか熱く感じたのは気の所為だろうか...)
俺にとって一番楽しいこと?
そりゃ、アンタとこうやって話すことくらいしか楽しみが無いんだ、今が一番楽しいよ。
...って、こんなの柄じゃねぇな
(そう言うと「あークソっ...」と小さく呟きながら頭を掻き、顔を背ける。慣れないことは言うもんじゃないな、と思いつつ)
とにかく、アンタが楽しくないと俺も楽しくないし、アンタが楽しけりゃ俺も楽しい。だから俺のことは気にしなくていい
(顔を背けたままそう言った彼の乱れた髪の合間から見える耳は少し赤かった)
ん、りょーかい
じゃ、遠慮なく
(普段酒を嗜むことなど滅多に無いが、彼の家に来ると話は別だ。きっと、ここまで心を許せるのは彼しかいないからだろう。慣れた手つきでワインセラーを物色する。いつも貰ってばかりだし、今度旅先でワインでも買ってこようか、どんなワインがいいだろうなんて考えながら)