To : お嬢様 ニーナ
待ってないし、なんなら俺が早く来すぎただけ、気にすんなって
(ニーナの声と姿を視界に捉えると嬉しそうに笑む。怒られるリスクもあるのにわざわざ俺に会って遊んでくれている、なんて申し訳なく思っているのがお互い様なんてことは露知らず。それでもニーナとの時間は自分の中でも特別な時間で、歳上の我儘とは知りつつも誘わずにいられなかった)
あ、そうそう。昨日の夜かーさんがパウンドケーキ焼いたんだ
一緒に食べね?と思って持ってきたんだけど
(ワックスペーパーに包んだドライフルーツ入りのパウンドケーキを見せる。人のこない静かな丘は互いの家からも程よい距離にあり、お忍びの彼女と過ごすにはもってこいの場所だ。一際大きい木の下にぽつんとある古いベンチに彼女を誘う)