To : 研究者 シードル
毎日か?
俺は構わないけど…ちょっと驚いたぜ。俺はてっきり、シードルを振り回して嫌な気分にさせてるんじゃないかって思ってたからな…お前も俺のこと好きじゃん!
(事実上の同棲。しかも野郎同士の初対面。今まで何人もの女や同じ団の舎弟が俺の家に同棲させてほしいと言ってきたが断ってきた。爺様と過ごしたこの家を他人に踏み荒らされたくなかったからだ。…だがシードルからその言葉を聞いたとき、感じたのは不快感ではなく嬉しさだった)
シードル、お前はちゃんと人間だよ。
俺といて楽しいか。そうか…嬉しいよ。俺もお前といると楽しい…
(シードルは真顔で恥ずかしいことを淡々と言いやがるから照れる。意味…わかってんのかな。しかしその言葉は素直で、汚れがなくて、言葉がダイレクトに心に伝わってくる)
え、話せるのか?
でも結構量あるぞ?いや、お前の記憶力なら可能なのか…!?聞かせてくれ!
(本の話に目を輝かせて食いつくその時の俺は、後のシードルにまるで子どもみたいだったと聞かされている…)
楽しいなら良かった。…あ、シードルって枕東に向けて寝る派?西に向けて寝る派?
(シードルと話しながら、俺は物置から二人用の羽毛布団とシーツを取り出すと、被った埃をパンパンとはたき、床に敷いた)